母は二次元に恋をする
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らいだったりみかだったり

Author:らいだったりみかだったり
ドクターストップかかって現在断酒中。
鎖骨がきれいな眼鏡男子が好き(二次元に限る)。
よく勘違いされるが腐ではない。

好きなゲームはFEシリーズ、英雄伝説シリーズとかなんか色々。
最近は主にコミPo!でマンガ作って遊んでます。



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閃の軌跡



閃の軌跡Ⅱ



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過去 前編
3日かけて書きました。
私にとっての最長SSです。


うpしなくてもいいかなーと思っていたんですが、他のBSB仲間がSSや漫画を描くにあたって、義行の人となりは必要とのことだったので、うpすることにしました。
かなり長いので、2回に分けてうpします。


今回は義行視点で書いてます。
かなりひどいやつです。





「あの、急に呼び出してごめんなさい。」
高校に入学して半年たったころ。
昼休みの校舎裏に、俺を呼び出した女の子は知らない子だった。

「いや、別に。で、何?」
俺、伊東義行は、手っ取り早く話を終わらせて欲しかった。
次の時間は英語の小テストだ。
英語が苦手な俺にとって、平均が取れるか取れないか、昼休みの勉強は重要だった。
とっとと教室に戻って勉強したい。

イライラしている俺をよそに、彼女は俯きがちに、回りくどく話し始めた。
「あの、図書室でよく会うよね?」

そうだっけ?
図書室行ったら本しか見てないし、俺。

「よく親切にしてもらってて・・・。」

そうだっけ?
必要事項以外女の子と話した覚えがない。

「ずっと、気になってたの。」
「はあ・・・。」
顔を赤らめる彼女に対して、俺は間の抜けた返事をした。
妹以外に女の子と話すことがあまりない俺は、こういうのには慣れていない。

「あの、よかったら、私と付き合ってください。」
彼女は震えた声で言った。
俺は言葉に詰まった。

困った。
よく知らない子と付き合ってもいいものだろうか。

俺は彼女をまじまじと見た。
彼女は俯いて、震えていた。
顔は・・・かわいい。
足もきれいだ。
それを判断の基準にするのもどうかとは思うけど、よく知らないんだから仕方ない。
見た目が好みなら、好きになれる可能性はあるだろう。

「俺でよければ・・・・。」
俺が言うと、彼女は顔を上げた。
「ほ、本当に?」
彼女は顔を真っ赤にして、目も潤んでいた。
ここで嘘だと言えるヤツがいたら見てみたい。
「ああ・・・。」
彼女の顔はパッと明るくなった。
彼女の笑顔はかわいかった。

初めて告白された。
初めて彼女ができた。
それなのに、俺は「うれしい」と言う気持ちにはなれなかった。

そもそも女の子と付き合うってなんなんだろう。


英語の小テストは惨憺たる結果だった。
昼休みの勉強に賭けてしまった自分が悪いと言うしかない。
運が悪かったのだ。
俺は頭をかきむしり、ため息をついた。

HRが終わり、帰る準備を整え、席を立つ。
今日はゲーセン行って、本屋寄ってバイク雑誌立ち読みして、スーパー寄って食材買って・・・。
晩飯は何にしよう。

教室を出ると、さっきの彼女が笑顔で立っていた。
「一緒に帰れる?」
彼女は首をかしげて笑顔で言った。
「え?あ、ああ。」
疑問形に聞こえるのに、断ることが許されないこの雰囲気はなんだろう。
俺はゲーセンと本屋をあきらめた。


取り留めのない話をして、彼女を家まで送る。
彼女の家は俺の家の反対方向だった。
これは「一緒に帰る」と言うのだろうか。
こんなんで、彼女は楽しいのだろうか。
彼女が終始笑顔だったことが、唯一の救いだった。


自分のペースを崩された俺は、どっと疲れた。
女の子と付き合うってこんなに面倒くさいものなのか。
もう、今日は疲れたし、晩飯はヤキソバにでもするか。
俺はスーパーで、ヤキソバの麺と、豚こまを買って帰った。


「ただいま。」
家のドアを開けると、どたどたと妹の笑が出てきた。
「お兄ちゃん、おそーい!!私、もうおなかペコペコだよ!!」
「ああ、悪かった。今からすぐ作る。」
俺は笑にスーパーの袋を渡した。
「今日何?」
笑が袋の中を覗く。
「ヤキソバ。」
「えー。私オムライスがいい。」
笑がふてくされた顔をする。
「だったら自分で作れ。」
そう言うと笑は押し黙った。

もう中学生なんだから、オムライスくらい自分で作れよ。
あんなんでアイツは将来嫁に行けるんだろうか。
嫁に行く前に花嫁修業に付き合わされるのは勘弁だ。

俺は2階の自分の部屋に入ると、カバンを投げ捨て、ネクタイをはずした。


次の日も、またその次の日も、取り留めのない話をしながら彼女を家まで送る。
彼女を家まで送ると、どうしても帰りが遅くなるため、ここのところ、笑の機嫌は悪かった。

「お兄ちゃん、最近帰り遅いけど、何やってるの?」
二人で晩飯を食べていると、笑が言った。
「別に。なんだっていいだろ。」
わざわざ彼女を家まで送っていると言う気にはなれなかった。
笑はふてくされていたが、それ以上何を聞いても無駄だと思ったのだろう。
笑は何も言わず、生姜焼きを口に運んでいた。



「今度の土曜日、映画に行かない?見たい映画があるの。」
いつもの帰り道、彼女が言った。
彼女の疑問形は、断ることは許されないように感じる。

映画・・・。
正直あまり興味がない。
数時間、動くことが許されないというのが、どうにも苦手な理由だった。

「別にいいけど。」
俺がそう言うと、彼女は嬉しそうに待ち合わせ場所と時間を指定した。

デート・・・なんだよな。
笑以外の女の子と学校行事以外で出かけるなんて初めてだ。
それなのに、俺は不思議と、ドキドキするとか、緊張するとか、そういう気持ちがなかった。



土曜日。
休日にしては早く起きて、カーテンを開けると日が差し込んできた。
何を着ていけばいいものか。
俺は、クローゼットを開け、手持ちの服を見渡した。
女の子が好む服なんて俺にはわからないし、笑の好みの服を着ていけば、まだマシだろう。
俺は、先日笑に無理やり買わされた服を出した。
笑は俺があまりに無頓着だからか、いちいち俺の服装に口を出す。
鬱陶しいと思っていたが、まあ、言うことを聞いていてよかったのかもしれない。

玄関で靴を履いていると、パジャマ姿の笑が降りてきた。
「あれ?お兄ちゃん、出かけるの?」
「ああ。」
「どこ行くの?」
「映画。」
「映画?お兄ちゃんあんま好きじゃないじゃん。」
笑は驚いているようだった。
「いいだろ。別に。」
俺だって別に行きたくはない。
「誰と?」
笑は勘繰るように言った。
「誰とだっていいだろ。いってきます。」
俺はそれ以上は何も答えるつもりはないという気持ちを露にし、玄関を出た。

初デートだと言うのに気が重いのはなぜだろう。


待ち合わせ場所に着くと、既に彼女は待っていた。
「ごめん。待たせたみたいだね。」
「ううん。私も今来たところだから。」
彼女は笑顔で言った。
淡い色のワンピースは彼女に似合っていた。
彼女は少し、緊張しているようだった。
「じゃあ、行こうか。」
俺は彼女の手を取った。
「あ。」
彼女が小さく声をあげた。
「あ、ごめん。」
俺は手を離した。
つい笑と一緒にいる時の癖で、人が多い場所では手を引いてしまう。
子供じゃあるまいし、何やってるんだ。俺は。
「う、ううん。」
彼女は頬を赤らめ、俺の手を握った。
その彼女の表情を見て、男女が付き合うと言うことにおいて「手をつなぐ」ことが、重大なことなのだと初めて知った。


彼女の見たいという映画は、俺が最も苦手とする恋愛ものだった。
小説にしても、なんにしても、恋愛物は山場もオチもわからない。
アクション映画に恋愛要素が入っているだけならいいが、恋愛が主な話だと、疲れてしまう。
何に心を動かされるのか、彼女は涙ぐんでいた。

俺は本当に、彼女の彼氏であっていいのだろうか。
彼女は俺なんかと付き合っていて、本当に楽しいのだろうか。
これだけかわいいんだから、もっと他にいい男がいるんじゃないだろうか。

俺は、彼女の横顔を見つめ、そんなことを考えた。
映画の内容は、ほとんど頭に入っていなかった。


「もう、帰らないとダメ?」
彼女を家まで送ると、彼女が言った。
「ああ、俺、晩飯作らないといけないから。」
俺が言うと、彼女は俯いた。
彼女の指は、俺の指に絡めたまま、放そうとしない。

早く帰らないと、また笑の機嫌が悪くなる。
ただでさえ、朝突っぱねるように出かけてしまったのだから、帰ったらふてくされていることは見ないでもわかる。
だけど、無理やり手を放すのも気が引ける。
どうしたら、彼女はすんなり俺を帰してくれるだろう。

俺は少し屈み、俯いたままの彼女の唇に自分の唇を重ねた。
我ながらずるい策だと思う。
でも、他に方法が思いつかなかった。

唇を離すと、彼女は頬を赤らめ、微笑んでいた。
俺はほっとした。
「じゃあ、また。」
俺は彼女の手を放した。
すると、彼女は引き止めるかのように声を出した。
「あ、あの!!」
俺は動きを止めた。
「・・・来週の日曜日、空いてる?」
彼女は恐る恐る言った。

日曜なら両親が家にいるから、晩飯を作る必要はない。
晩飯さえ遅くならなければ、笑の機嫌も悪くはならないだろう。

「ああ、日曜日なら、少し遅くまで大丈夫だけど?」
俺が言うと、彼女はほっとしたように微笑んだ。
「うちに、遊びに来ない?」
俺は、彼女の疑問形に弱いらしい。
「ああ、じゃあ、お邪魔するよ。」
「うん。待ってるね。じゃあ、また月曜日。」
彼女は笑顔で手を振った。
俺も手を振った。

日曜日だと、やっぱり彼女の家族はいるんだろうか。
当然挨拶しなきゃいけないんだろうな。
俺は急に憂鬱になった。

ファーストキスの感動なんて物は、欠片もなかった。


家に着くと、案の定笑は玄関に座り込んで、ふてくされていた。
「遅い。」
「ああ、悪かったよ。今日はお前の好きなオムライスにしてやるから。」
俺は靴を脱いで、笑の横を通り過ぎる。
「誰と出かけてきたの?」
笑は立ち上がって、俺についてくる。
「誰だっていいだろ。」
「お兄ちゃん、彼女いるの?」

笑の質問に、俺は返事をすることはできなかった。
別に隠すようなことなんて何もない。
それなのに、なぜか言いづらかった。
なぜこんなに後ろめたいのだろう。

「うるさい。」
俺はそう言い捨てると、2階に上がった。
笑は泣きそうな顔をしていた。


次の日。
俺はのんびりソファに座って新聞を読んでいた。
横で父さんがテレビを見て、母さんがお茶を煎れている。
仕事で帰りの遅い両親が、まともに家にいるのは日曜日だけだ。
日曜日だけは俺も笑の子守りをする必要もなく、くつろぐことができる。

すると、どたどたと音を立て、笑が2階から降りてきた。
「お兄ちゃん!来週の日曜日、ここ行こう!ここのアイスクリーム、すっごいおいしいんだって!!」
笑は俺の目の前に雑誌を差し出した。
笑が指差す場所を見ると、なんだかデートスポットのようなところだ。
はっきり言って面倒くさい。
大体、なんでそんなところ妹と行かなきゃいけないんだ。
どっちにしても、来週の日曜日は彼女と約束がある。
俺は、新聞に目を落とした。
「行かない。」
「なんで?ヤダ!絶対行く!!」
笑は駄々をこねた。
「笑、だったらお父さんと行こう。なんでも好きなもの買ってやるぞ。」
父さんが、気持ち悪いほどやさしい声で言った。
普段、ほとんど会えないせいか、父さんはとにかく笑に甘い。
「ヤダ!お兄ちゃんがいい!!」
笑が言い捨てると、父さんはがっくりとうなだれた。
「一人で行って来い。」
「ヤダ!お兄ちゃんと行く!!」
「一人でなんて、笑になにかあったらどうするんだ!!」
父さんが声を荒げて言う。
どれだけ親バカだ。
「義行。お小遣いあげるから行ってあげてくれない?」
母さんまでが笑の子守りを俺に押し付ける。
俺はため息混じりに母さんに聞く。
「いくら?」
「3000円。」
「じゃあ嫌だ。」
「わかった!5000円あげるから!」
「もう一声。」
「ああ、もう!10000円渡せばいいんでしょ!その代わり、それで二人分の食事も済ませてよね!」
二人ともどれだけ笑に甘いんだ。
「わかった。でも、来週の日曜はダメ。次の週なら空けてやるから。」
「やった!!絶対だよ!!約束だからね!!」
笑は嬉しそうに飛び跳ねた。
そういえば、笑の笑顔を見たのは久しぶりかもしれない。



後半へ続く
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