母は二次元に恋をする
様々な現実から目をそむける為の妄想ブログ
プロフィール

らいだったりみかだったり

Author:らいだったりみかだったり
ドクターストップかかって現在断酒中。
鎖骨がきれいな眼鏡男子が好き(二次元に限る)。
よく勘違いされるが腐ではない。

好きなゲームはFEシリーズ、英雄伝説シリーズとかなんか色々。
最近は主にコミPo!でマンガ作って遊んでます。



コミPo!



閃の軌跡



閃の軌跡Ⅱ



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♪てーざーわーりーあーぁっぷー
本番前なので、マスク(娘語だとまくす)をしているのですが、眼鏡が曇って非常に不便です。
そして、本番前なので禁酒中です。
そんな最中に義母からビールが送られてきました。
ありがとうございます・・・・。
本番終わったら飲みます。

野ばらを歌っていて、「レースライン」は巻き舌にならないのに、「モルゲンシェーン」のルは巻き舌になるんです。
「お」の発音から「る」に行くときに巻き舌になりやすいんだと気づいたときは切なくなりました。


娘たちの人形遊びのキャスティングに「ブログ友達」というカテゴリができていました。
なんかオフ会やってるみたいです。

最近のアニメはなぜかカードゲームのアニメばっかりだなぁと思います。
商品にしやすいんでしょうな・・・・。

夫が、「プリキュアの歌で『手触りアップ~』って歌詞があるけど、あれなに?」と言いました。
なにその柔軟材のCMみたいな歌詞。
ネバーギブアップだろ。


それはともかく。
前回の続きです。

最長記録更新です。
申告どおり3日で書いたよ!
こんな私を暇人と罵るがよい。


が、例によって1回にぶち込みます。
分けるのめんどくさいから。

はっきりいって、この話書くために、尚也と笑にくっついてもらったようなものですww
前回読まれた方、時間があればどうぞ。




「昨日、笑ちゃんが男と腕組んで歩いてたぞ。」
友人の織田里壱がニヤニヤしながら俺、伊藤義行に言った。

織田は友達をからかうことが大好きだ。
しかも勘がよく、頭の回転も速いため、人の弱点を見つけるのがうまい。
織田にとって、俺の最大弱点は妹の笑らしい。
笑の話になると、織田はとにかく俺を挑発するようなことを言う。

「ああ、俺の幼馴染だよ。」
俺がそう言うと、織田は目を丸くした。
「なに?笑ちゃんってメガネの幼馴染と付き合ってんの?」
「いや、隆の彼女に会ったとき、慰めてくれたんだと。それからソイツが気晴らしにってしょっちゅう連れ出してくれてるんだ。」
「ふーん。心配じゃねーの?」
「アイツ、アニキしかいないから、小さいころから笑のことは本当の妹みたいにかわいがってたんだ。今更心配なんてしてねーよ。」
「ふーん。なんかそんな風には見えなかったけどな。密着してバイク乗ってたし。」
「タンデムなんて密着しなきゃ吹っ飛ばされるだろ。俺だって、乗せてもらうときアイツにしがみつくぞ。」
「うわ。気もちわりぃ。」
織田は顔をしかめた。
「まあ、客観的に見るとそうかもな・・・・。」
俺も想像して顔をしかめた。


織田にはそう言ったが、確かに、最近笑は変わったと思う。
急に俺の恋人に会ってみたいと言い出したり、俺が構うと「子ども扱いするな」と怒るようになった。
そしてまた、それと同時に、幼馴染である、士奈尚也の態度も変わった。
やたら笑を心配するし、妙に笑に構う。
今までも、笑のことは構っていたが、なんとなく、構い方が変わったような気がする。

でも、まさか、ナオが笑を今更女として見るはずはない。
俺の思い違いだろう。
俺は自分にそう言い聞かせていた。


「ただいま。」
玄関を開けると、笑の靴と並んで、ナオの靴があった。
「・・・・・アイツまた来てるのか。」
俺はつぶやいて、リビングの方を見た。
笑とナオの声が聞こえる。

ナオは最近うちによく来る。
以前は俺がナオの家に行くことがほとんどだったのに。
最近は、俺がナオの家に行くことはほとんどなくなった。

リビングのドアを開けると、ナオは笑と寄り添ってソファに座り、笑の髪をなでていた。
二人は俺に気づいて、振り返った。
「あ、お兄ちゃん。おかえり。」
「よお。おかえり。」
「また、来てたのか。ナオ。そんなに暇なのか?」
俺が言うと、ナオは目を泳がせた。
「あ?・・・ああ。まあな。」
「それにしても、今までだったら、俺がいないときでも、俺の部屋にいたのに、最近はここにいることが多いな。」
「あ?そうか?あんま気にしてなかったけど。」
ナオは不自然な笑みを見せた。
「まあ、別にいいけど・・・。じゃ、俺着替えてくるから。」
俺はもう一度廊下に出ると、リビングのドアを閉めた。

この違和感はなんだろう。

そうは思っても、深く考えたくない自分がいた。


リビングに戻ると、笑はおらず、ナオが一人でソファに座っていた。
「あれ?笑は?」
「ああ、部屋に戻った。」
「ふーん。コーヒー飲むか?」
「ああ。俺コナ。」
「そんな高い豆ねーよ。酸味系はコロンビアかガテマラ。」
「じゃあコロンビア。」
「わかった。ちょっと待ってろ。」
俺はキッチンに入ると、やかんに水を入れ、火にかけた。

コーヒーを淹れてリビングのテーブルに置き、俺はソファに座った。
「最近やたら笑と一緒にいるみたいだな。」
「あ?ああ。そうかもな。」
「アイツ、お前に迷惑かけてねーか?アイツのわがままに付き合ってるんだったら、断ってくれてもいいからな?」
俺が言うと、ナオは眉間にしわを寄せた。
「お前さ、いい加減妹離れすれば?」
「え?」
「笑はお前が思ってるほどガキじゃねーぞ?わがままなんて言わねーし、別に迷惑もかけられてねーよ。笑はお前が思ってるよりずっとしっかりしてる。もう、お前がいちいち気にかけなくたって、自分の足でちゃんと歩いてるんだよ。いいかげん認めてやれよ。」
ナオの言い方は、いやに真剣だった。
俺は驚いて、声も出なかった。
「お前だって、いつまでも笑にばっかりかまってるわけいかねーだろ。」
そう言うと、ナオはコーヒーをすすった。

ナオはいままでも、散々俺をシスコンだの過保護だのと小馬鹿にしていた。
しかし、今のは、いつものそれとは全く違った。
馬鹿にしていると言うよりも、何かを案じているように聞こえた。

違和感は、確実に広がっていった。



「お兄ちゃん、イヴは彼女とすごすの?」
夕飯を食っていると、笑が聞いた。
「イヴ?いや?別に特に何も考えてない。」
「考えてないって、イヴはもうすぐなのに?」
「いつもどおり、家でケーキ焼いて、肉焼いて、笑と二人で食うつもりだった。」
俺がそういうと、笑は呆れたような顔をした。
「お兄ちゃんにしても、なおにいにしても、なんでこうなんだろう。」
笑は不機嫌そうにつぶやいた。
「ん?ナオがどうかしたのか?」
「別に。」
笑は口を尖らせた。
「ピザの宅配なんてイヴは書き入れ時だろうから、どうせナオはバイトなんだろうな。」
「そうみたいだね。」
笑は不機嫌と言うより怒っているようだった。
「私、イヴは友達の家に遊びに行くから、お兄ちゃん彼女家に呼べば。」
「え?晩飯は?」
「友達の家で食べる。」
「遅くなるならちゃんと連絡入れろよ?迎えに行くから。」
「わかってる。ごちそうさま。」
笑はうんざりしたように席を立ち、食器を片付けた。


クリスマスイヴ。
そんなこと全く考えていなかった。
そもそも、恋人である、皆川弥生がそういうイベントが好きかどうかがいまいちわからない。
もう付き合ってそれなりに経つと思う。
それなのに、俺はあいかわらず弥生のことを何も知らない。


次の日の朝。
俺は、自席で授業の準備をしている弥生に声をかけた。
「何?」
弥生は顔を上げた。
「あー。あのさ、24日って、なんか予定ある?」
「終業式。」
「いや、そうだけど、そうじゃなくて・・・・。」
俺が口ごもってると、弥生はクスクス笑った。
「放課後は特に予定はないよ?」
「あ、じゃあ、うち、来るか?」
「笑ちゃんは?」
「ああ、なんか友達んち行くとか言ってた。晩飯もいらないって言ってたから、もしよかったらうちで食ってかないかなと思って。」
「イヴに一人で食事はわびしいもんね。」
弥生はいたずらっぽく笑った。
「別にそういうんじゃねーよ。来るのか?来ないのか?」
俺はイライラして聞いた。
そんな俺を見て、弥生はまた笑った。
「じゃあ、せっかくだからお邪魔します。」
弥生の返事に俺は少しほっとした。
別にイヴとかそういうのを気にするつもりはないが、確かに一人で食事はわびしい。
「じゃあ、24日、準備したら迎えに行く。」
そういって、俺が弥生の席を離れようとすると、弥生が言った。
「イヴって何かするの?」
「え?」
俺は振り返った。
「それとも、義行がいつもうちに来るときみたいに、二人で別々の本読んでるの?」
弥生は首をかしげた。
言われてみればそうだ。
俺はしばらく考えた。
イヴって言ったら、ケーキ焼いて、肉焼いて、食う日という認識しかない。

「俺は、・・・・料理に時間をかける日だと思っている。」
俺がそういうと、弥生は一瞬目を丸くした後、思い切り噴出し、声を出して笑い始めた。
「なんだよ。」
俺はふてくされた声で言った。
「ごめん。なんか義行らしいなって思っただけ。」
「どういう意味だよ。」
「なんでもない。じゃあ、一緒に料理しよう。一緒に食材買って、一緒に作って、一緒に食べよう。」
弥生は笑いながら言った。



「いってきます。」
24日の午後。
部屋で着替えていると、笑が俺の部屋のドアを開けて声をかけた。
「ああ、いってらっしゃい。あんまり遅くなるなよ。」
「でも、あんまり早く帰ってくるとお邪魔でしょ?」
「余計なこと考えなくていい!帰る前にちゃんと連絡しろよ?」
「わかってるってば!いってきます。」
笑は不機嫌そうに答え、部屋のドアを乱暴に閉めた。

ナオの言うとおり、俺は気にしすぎなんだろうか。

女の子だから、弱いと思っていた。
守ってあげなければいけないとずっと思っていた。

俺がやっていることは余計なことなんだろうか
最近の笑が俺を鬱陶しく思っていることは手に取るようにわかる。

急に離れていこうとしている笑に、俺は戸惑っていた。



「反抗期じゃないの?」
弥生は、生クリームを泡立てながら言った。
「反抗期・・・・ねえ。そんなものなのかな。」
俺は鶏もも肉を漬け汁にもみこみながら答えた。

最初のうちは、弥生の前で笑の話はしないようにしていた。
わざわざ彼氏の妹の話など進んで聞きたくないだろうと思っていたからだ。
だが、弥生から姉妹の話を聞いているうちに、俺も少しずつ笑の話をするようになっていった。
笑の話をしても、弥生は特に不機嫌になることもなく、むしろ親身になって聞いてくれた。
今では、笑のことはほとんど弥生に相談している。

「私だって親にあんまりしつこく言われると鬱陶しいって思うよ。」
「でも、女の子なんだから夜道を一人で出歩くのを心配するのなんて当たり前だろ?」
「もちろんそうだけど、それがわかっていても、あんまり言われると縛り付けられてるような気がするじゃない。」
「俺は男だから、親には何も言われないしな・・・・。むしろ、笑に何かあったら俺の責任になるし。」
「考えすぎでしょ。笑ちゃんだって義行に隠しておきたいことの一つや二つあるだろうし、あんまり構いすぎるのもどうかと思うよ?」
「そうだなあ・・・・。」
「笑ちゃんも兄離れの時期なんじゃない?本気で好きな人ができたのかもね。」
「まさか!この間隆に失恋したばっかりだぜ?」
「さあ、わからないよ?そういうのって突然やってくるものだからね。ちょっと前まで全然なんとも思っていなかった、むしろ嫌いだった人を好きになるなんてよくあることだよ。」
弥生は含みのある笑みを見せた。
俺は恐る恐る聞いた。
「・・・・・弥生って、ひょっとして、俺のこと、嫌いだった?」
俺の問いに、弥生はにっこり笑って答えた。
「うん。」



弥生を家まで送り、家に戻ると、笑の靴があった。
リビングの電気はついていない。
俺は2階に上がると、笑の部屋をノックし、声をかけた。
「帰ってたのか?」
「うん。」
部屋から笑の声がした。
なんとなく元気がないようだった。
友達と喧嘩でもしたのだろうか。
連絡がなかったことについて言おうと思ったが、弥生の言葉を思い出し、やめた。
「風呂入るなら先入っちゃえよ。」
俺はもう一度声をかけ、部屋に戻った。


風呂から上がり、そろそろ寝ようかと部屋の電気を消したところで、玄関のドアが閉まる音がした。
時計を見るとちょうど0時だ。
両親はすでに帰っている。
俺は不審に思った。
 
こんな時間に誰かがでかけたのか?
それとも誰かが来たのか?

俺はカーテンを開け、外の様子を伺った。
見ると、笑が外で誰かと話していた。

「ナオ・・・・?」

暗くてわかりにくいが、街頭の明かりでぼんやりと見える男は、確かにナオだった。

ひょっとして、バイトが終わってから来たのか?
笑に会いに?
こんな日に、こんな時間に。
どうして?

俺は二人の姿に釘付けになっていた。
ナオは笑にプレゼントを渡しているようだった。
笑はうれしそうに、ナオに寄り添った。
ナオはそんな笑を抱きしめた。

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俺の胸はざわついた。
今までの違和感が、どんどんふくらみ、確信に変わっていく。
その瞬間、俺は見てはいけないものを見てしまった。


二人は見つめ合い、キスをしていたのだ。


背筋がぞっとした。
寒いはずなのに、俺の背中は滝のように汗をかいていた。
手はわなわなと震え、吐き気とめまいに襲われた。
俺は床に座り込んだ。
立っていることができなかった。

「マジ・・・・かよ・・・・・。ありえねーだろ・・・・・。」
俺は頭を抱え、絞り出すようにつぶやいた。


その夜は眠れなかった。
笑とナオのことばかり考えていた。

考えてみれば気づかない方がおかしい。

突然ナオが笑を駅まで迎えに行くようになったことも。
頻繁に一緒に出かけるようになったことも。
ナオがタンデムしやすいバイクに買い変えたことも。
ナオが頻繁にうちに来ていることも。
ナオが笑に触れていることも。
突然俺に「妹離れしろ」と言い出したことも。

どう考えたって不自然だ。

考えないようにしていた。
まさかありえないと思っていた。
ナオが笑に手を出すことだけは。

泣きたいのか、怒りたいのかわからなかった。
ただ、頭が混乱して、自分がどうすればいいのかわからなかった。


朝になって、俺はナオの携帯に電話をした。
しばらく出なかったが、何度も、何度もコールすると、ようやくナオが出た。
「あ?っんだよ。俺、昨日夜中までバイトだったんだぞ?もうちょっと寝かせろよ。」
ナオは寝起きのだるそうな声で言った。
「ナオ・・・・。お前に、話があるんだ。」
俺は、できるだけ平静を保つように言った。
「今すぐ?」
「今すぐ。」
しばらくの沈黙の後、「わかった。」とナオが言った。
「じゃあ、今からそっちいく。」
「ああ。」
ナオはおそらく、俺が何を言いたいのかわかったのだろう。
その声は、さっきとは違い、真剣だった。


ナオの家のインターホンを押すと、すぐにナオがドアを開けた。
「入れよ。」
「ああ。」
俺は、促されるままに、ナオの家に入った。
ナオの部屋に入るのに、こんなに緊張したのは初めてだ。
ナオもそれを察したのか、緊張しているようだった。

「夜・・・・・、うちに来てたんだな・・・・・。笑に会いに・・・・。」
俺はナオの目を見据えた。
俺の手は震えていた。
「ああ。」
ナオは目を伏せた。
「・・・・・どういうことなんだ?」
俺の問いに、ナオはため息をついて答えた。
「どうもこうもない。お前が想像しているとおりだよ。」

自分の中で、何かか壊れる音がした。
次の瞬間、俺は右手を握りしめ、力いっぱいナオの左頬に叩き込んだ。

まともに食らったナオは、バランスを崩し、その場に倒れこんだ。
俺はナオに馬乗りになり、胸倉をつかんだ。
「ざけんな!!ゴルァ!!どの面下げて抜かしやがる!!人の妹に手ェ出しておいてタダで済むと思ってんのか!?ぁあ!?」
俺は叫んだ。
親友だと思っていたやつに裏切られた。
そのことが、俺の思考を完全に停止させた。

ナオは口を切ったらしく、口の端に血をにじませていた。
しかし、それをぬぐうことなく、まっすぐに俺を見た。
「言い訳はしねーよ。ヨシが怒るのも無理ねーと思っている。でも、俺だって半端な気持ちで笑の側にいるわけじゃねぇ!」
「お前だったらいくらでも女なんているだろ!!なんで・・・・。なんで笑なんだよ!!」
「お前は誰でもいいのかよ!今の彼女以外にもいくらでも女なんているだろ!?それでも彼女を選んだんだろ!?俺だって笑じゃなきゃだめなんだよ!!」
ナオは叫んだ。
「なんで・・・・・。なんでよりによって笑なんだよ・・・・。なんでよりによってナオなんだよ・・・・・。」
俺はがっくりとうなだれ、ナオから手を離した。

俺は立ち上がり、そのままナオに背を向けると、ナオの家を後にした。



歩きながら俺は、自分の右手を見つめた。
ナオとは、今まで何度も喧嘩はしてきたけれど、殴ったのは初めてだった。

小さいころからずっと一緒だった。
くだらない小競り合いばかりしていた。
それでも、ずっと信頼していた。
ナオがいてくれたから安心できた。

ナオは、最初から俺に殴られるつもりだったんだ。
そうでなかったら、ナオが俺の攻撃をまともに受けるはずなんてない。


どこをどう歩いたのかわからない。
俺はなぜか、弥生の家の前にいた。

俺は弥生に電話をかけた。
弥生はすぐに出た。
「もしもし?」
「あ、俺・・・・。」
「俺って知り合いはいません。」
弥生は突っぱねるように言った。
「義行・・・・。」
俺はため息交じりに答えた。
「どうしたの?」
「あのさ、今、家?」
「うん。」
「出て来れないか?」
「別に平気だけど?今どこ?」
「弥生の、家の前。」
「え?」
弥生は驚いたらしく、少しの間の沈黙の後、「ちょっと待ってて」と言って電話は切れた。

程なくして、ドアが開き、弥生が出てきた。
「どうしたの?」
弥生は俺に駆け寄った。
俺は何も言わずに弥生を抱きすくめた。

泣きたかったのかもしれない。
でも、涙は出てこなかった。
ただ、弥生のぬくもりを確かめなければ、どうにかなってしまいそうだった。

「義行?」
弥生は怪訝そうな声で俺を呼んだ。
「ごめん。いきなり来て・・・・。」
「別に、それはいいんだけど・・・・。とりあえず、うち入らない?ここじゃ寒いし。」
そういって、弥生は俺から離れ、俺の手を引いた。
俺は子供のように、弥生に手を引かれ、弥生の家に入った。

俺は弥生の部屋に通されると、弥生のベッドに座った。
弥生は俺の隣に寄り添うように座り、俺の手を握ると、穏やかな声で言った。
「何か、聞いてほしいなら聞くからね?」
俺はうつむいて、つぶやくように話し始めた。
「・・・・・ずっと、信じてたやつがいたんだ。小さいころから、ずっと・・・・。」
「うん。」
「さっき、殴ったんだ。思いっきり。」
「どうして?」
「ソイツが、笑と、・・・・・・キスしてた。」
「・・・・。」
「ふざけるなって言ったら、半端な気持ちじゃないって・・・・・。笑じゃなきゃだめなんだって・・・・。」
「うん。」
「頭が、どうにかなりそうで。俺は、どうしたらいいのか・・・・。」
俺はうなだれて、頭を抱えた。

弥生は俺を抱きしめた。
「義行は欲張りだね。」
「え?」
「義行は、その人に笑ちゃんを取られたのも悲しいし、笑ちゃんにその人を取られたのも悲しいんだよ。」
「笑に・・・・ナオを取られた・・・・・?」
「義行がずっと信頼していた人なんでしょ?魅力がないわけないじゃない。そんな人が側にいて、笑ちゃんがその人に惹かれないわけないじゃない。ずっと義行と同じ場所からその人を見ていたんだから。」
弥生は諭すように、やさしく言った。

「ねえ、義行。義行は私と一緒にいて幸せ?」
弥生が急にそんな照れくさいことを聞いた。
「・・・・・ああ。」
俺は、躊躇しつつも素直に答えた。
「私も義行と一緒にいて幸せだよ。でも、それは笑ちゃんも同じだと思う。笑ちゃんだって、その人と一緒にいて幸せだからその人と一緒にいるんだと思うよ?だって、義行が感じている幸せを、笑ちゃんが感じちゃいけないなんておかしいでしょ?」
弥生は俺の顔を両手で挟み、上に上げ、少し怒ったような表情で言った。
「それに、義行には私がいるでしょ?私がいるのに、笑ちゃんも必要なの?」
「それは・・・・。」
俺が言い終わるのを待たずに、弥生は俺の唇にキスをした。

弥生の唇は柔らかくて、温かくて、俺のささくれ立った心を確実に癒してくれた。

唇を離した弥生は、やさしく微笑んだ。
俺は、弥生の目を見るのが妙に照れくさくて、目を伏せた。
「・・・・卒業までおあずけじゃなかったっけ?」
俺が言うと、弥生は笑った。
「弱ってるみたいだから、今日は特別。」
弥生の言葉に、俺は苦笑した。
不思議とさっきまでの息苦しさや不安はなくなっていた。
俺は弥生の体を抱き寄せると、横に倒した。
「何?」
仰向けになった弥生は、眉間にしわを寄せた。
「弱ってる今がチャンスなのかと思って。」
俺がそういうと、弥生は苦笑した。
「元気そうに見えるんだけど。」
俺はそれには答えず、弥生の頬に触れ、唇を親指でなぞった。
「仕方ないな。」
弥生は呆れたような顔でそう言うと、俺の頬に触れ、微笑んだ。
「今日だけは甘やかしてあげる。」



「はい。これ。」
弥生は俺の携帯を差し出した。
「何?」
「ちゃんと会って話すんでしょ?その人と。」
「あ・・・・。」
「一緒に行ってあげようか?」
「いや・・・・。」
「ちゃんと、冷静にだよ?喧嘩しないでね?」
まるで母親のように弥生は俺の顔を覗き込んで言った。
「ああ。」
俺は携帯を受け取った。


俺は、ナオを近所の公園に呼び出した。
冷たい風の吹く夕方の公園には、人はほとんどいない。
ベンチに座ってしばらく待つと、ナオの姿が見えた。
俺は立ち上がった。
ナオは俺の目の前に立ち、緊張した面持ちでまっすぐに俺を見た。
ナオの左頬は腫れていた。
俺は口を開いた。
「さっきは・・・・。悪かった。いきなり殴ったりして・・・。」
「・・・・・いや。」
「色々、考えた。ナオのことも、笑のことも・・・・・。」
俺は大きく息を吸い込んだ。
「俺はナオのこと、ずっと信頼してた。だから、裏切られたと思った。でも、俺が信頼していたやつに笑が惹かれないわけがないって教えてもらったんだ。」
ナオは黙っていた。
「ナオは、ずっと俺と同じ立場で笑を見てると思っていた。でも、俺とナオが違う人間なのに、同じ立場から見てるわけがなかったんだ。でも、ナオは笑を俺と同じくらい見ていたんだって、気づいたんだ。だから・・・・。」
俺はナオに頭を下げた。
「笑を頼む。」
ナオの顔は見えなかったが、驚いていることは気配でわかった。
「・・・・・ああ。わかってる。」
少し間をおいて、ナオはつぶやくように言った。

俺は頭を上げ、ナオを見た。
ナオはほっとしたような顔をしてた。
その顔を見て、俺は噴出した。
「何だよ。」
ナオは眉間にしわを寄せた。
「いや、なんか、ナオのそんな顔、はじめて見たから。」
「うるせぇ。俺だって一応後ろめたかったんだよ。ずっとヨシに隠してるの。」
「だから、急に俺に妹離れしろなんて言ったのか。」
「そりゃそうだろ。いつまでもうるせぇ小舅付きじゃたまったもんじゃねーよ。」
ナオの言葉に、俺はカチンと来て、眉間にしわを寄せた。
「ぁあ?どういう意味だそれは!」
「そのまんまの意味だろ。シスコン!」
ナオは吐き捨てるように言った。
俺はナオの胸倉をつかんだ。
「ぁんだと?やんのか!?ゴルァ!!』
「ぁあ?上等じゃねーか!さっきの借り返してやるよ!」
「大体お前は昔っから女関係だけは信用できねーんだよ!!お前なんかに大事な妹を誰がやるか!」
「男が一回言ったこと引っ込めるとかみっともねーな!」
ナオが鼻で笑った。
「うるせぇ!!誰がお前なんか認めるか!!」



「・・・・・ユキちゃん?どうしたの?その顔・・・・・。」
次の日の朝、希望者による補習授業のために学校に行くと、昇降口で会った友人の穂積龍之介が、俺の顔を覗き込んで言った。
昨日、ナオと殴りあったせいで、俺の顔は腫れ上がっていた。
「なんでもない。」
俺はむすっとして答えた。
「眼鏡は?」
「割った。」

ナオに殴られた拍子に外れた眼鏡を、俺はあろうことか踏んづけて割ってしまったのだ。
そのため、今日は度の合わないコンタクトをしていた。

「オッス。タツ。・・・・って、うわ!なに?ひょっとしてメガネ?」
ちょうど昇降口から入ってきた織田が俺の顔を見て目を丸くした後、大笑いした。
「え?ヨシ?」
織田の横では藤咲隆が目を見張って呆然としていた。
「なんだよ。ずいぶんいい男になっちゃったな。」
織田が笑いながら言った。
「どうしたんだ?その怪我。」
隆が俺に顔を近づけ、まじまじと見た。
「なんでもない。」
俺はまたむすっとして答えた。

そのとき、昇降口から、大笑いする声が聞こえた。
弥生だった。
「結局喧嘩しちゃったの?あんなに冷静にって言ったのに。」
「うるせぇ!誰があんなヤツ認めるか!」
俺は憎憎しげに言った。
「どうしたの?」
穂積が首をかしげて、弥生に聞いた。
「花嫁の兄ってヤツ?」
弥生が笑いながら答えると、織田と穂積と隆はすべてを察したように「ああ。」と言って頷いた。
「誰があんなヤツに嫁になんかやるか!!俺は絶対認めねぇ!!」
「男が一回言ったこと引っ込めるなんてみっともないわね。」
「ナオと同じこと言うんじゃねぇ!!」
俺が叫ぶと、織田は勝ち誇ったように言った。
「何?もしかして、やっぱり笑ちゃんは例の幼馴染ってヤツと付き合ってたの?」
「認めねぇっつってんだろ!!」
俺がムキになると、織田はますます笑った。
「やっぱり俺の言ったとおりじゃねーか。」

「で、義行のその顔見て、笑ちゃんはなんか言ってたの?」
弥生の問いに俺はそっぽを向いて答えた。
「俺よりナオの心配してた。」
すると、弥生と織田と隆がほとんど同時に言った。
「なんだ。義行の惨敗じゃない。」
「メガネの惨敗じゃねーか。」
「ヨシの惨敗だな。」
穂積は何も言わなかったが、明らかに俺に哀れみの目で向け、苦笑いしていた。
「うるせぇ!!」
俺は一層ムキになって叫んだ。

そんな俺を見て笑う弥生に、、織田が不思議そうな顔で聞いた。
「皆川さんはメガネが笑ちゃんのことでムキになってても平気なの?」
織田の問いに、弥生はちょっと考えて答えた。
「んー。平気っていうか・・・・。シスコンじゃなきゃ、義行じゃないと思うし。それに・・・・。」
弥生は俺を見ていたずらっぽく笑った。
「どうせなら、隣の特等席で見たいじゃない?笑ちゃんの結婚式で泣く義行の姿。」
弥生がそう言うと、その場にいた、俺以外の全員が笑った。

-おわり-

駄文にお付き合いいただきありがとうございました。


終業式って、自分は24日だったような気がするんですが、うちの娘は25日なんですよね。
でも、話の流れ的に、25日は1日空いてないと無理があるので、24日を終業式にしてしまいました。
あと、最後にどうしても織田くんと隆くんと弥生にからかわれることで締めたかったので、任意の補習授業で学校行くことにしました。
3年生だし、当然あるよね?

挿絵はむしろ入れない方がよかったような気がしないでもない・・・・です・・・・・。
まあ、いっか・・・。

最初は、義行には尚也と笑を認める方向でいこうと思っていたのですが、どうもそれは望まれていないようなので、結局認めないって方向になりました。
まあ、そっちの方が締めが思いつきやすかったのもあるんですけどね。

余談ですが、笑と尚也は双方の親からは公認の仲です。
だから、二人の仲を反対しているのは、本当に義行だけです。


と、言うわけで、3部構成で作成しました「笑の兄離れ」は義行が妹離れできないままに終わってしまいました。
長期にわたり、私の駄文にお付き合いくださり、本当にありがとうございました。
スポンサーサイト

コメント
No title
ドキドキしながら、読ませていただきました!
特にヨシくんが二人に気付いたあたりから、ドキドキでした!

ホント、ヨシくん、お父さんな気持ちなんですねー。
本当は、笑ちゃんの事、喜んであげたいだろうに、
なかなか素直になれない・・・・
そんなヨシくんの隣にいてくれる弥生さんの存在は大きいですね!

途中の挿絵、ヨシくんの表情がいいですよ!
素敵なお話、ありがとうございました!
[2009/11/08 17:43] URL | みぃ #- [ 編集 ]

>みぃさん
長文&駄文にも関わらず、お読みいただきありがとうございました。
楽しんでいただけたのならうれしいです。

義行はお父さんですねー。
お父さんよりお父さんしてますwwww
まあ、ここで素直に認めちゃったら義行らしくないので、ここはツンを炸裂させました。
多分、笑は今後弥生に根回しして、なんとか義行をなだめていくことでしょうwwwww

挿絵はなんとなく蛇足感が否めませんorz
もっとちゃんと構図とかパースとか考えて描けるようになれたらいいんですけどね・・・。
精進いたします。

ありがとうございました。
[2009/11/08 20:06] URL | みか #- [ 編集 ]

うおぅ・・・・・
コメントしてたと思ってたら、すっかりとうっかりと・・・・・

ユキちゃんらしいラストwwwwww
認めるけど認めないってのがツボでした。
うん、何かユキちゃんらしいです。
やっぱり大事な妹を親友に取られた!って思いますよね。
ああ、ホントにみかさんのSSはリアルだわ・・・。
弥生ちゃんのポジションは大事だね!
いいな、うん、ユキちゃんに弥生ちゃんがいて良かった・・・!

すいすい読めたので、長文って感じませんでしたよ。
素敵SSありがとうございますw
今後の2人が楽しみですね。
デートとかのときの送り出すユキちゃんが見たいwww
[2009/11/10 13:15] URL | あくあ #GeIIq2NY [ 編集 ]

>あくあさん
お読みいただきありがとうございました。

認めるけど認めない。
信用してるけど信用できない。
義行は尚也のことをよくも悪くも知りすぎているので、引っかかる部分は多々あるんですよ。

義行ならまず最初に思うことは、妹を取られたというよりも、信じていたやつに裏切られたってことだと思うんですよね。
基本的に短気で頭に血が上りやすいタイプなので(だから穂積君に格ゲーで勝てない)
で、弥生は全く対照的で、物事を冷静に、客観的に見ることができるタイプなので、義行も素直に言うことが聞けるんです。

デートのときは笑が弥生に根回しすると思います。
弥生は基本的に、女の子にはやさしいのでwwwww
そして、義行は弥生にだけは逆らえないのでwwww
そうでもしないと、いかんせん尚也はバイクで迎えに来るので隠していてもすぐわかる。
しかも、義行は尚也のバイクの音は頻繁に聞いているので、聞き分けられるからwwwww
[2009/11/10 14:03] URL | みか #- [ 編集 ]

一発は殴られる覚悟だったんだよ。
笑と付き合うにあたって、凄い葛藤とかあったんだけど、
まだそこに書くまでに至ってない。ごめん。

ナオが年上のお姉さんが理想だったのは、
人の面倒を見る許容量が、笑で使い果たしていたのがひとつ。
理想の兄でいようと思っていたら、兄では満足できないと自覚したのがひとつだね。

ごちそうさまでした! 次は微エロにチャレンジだ!
[2009/11/13 03:03] URL | ショウ #CGSys/Bo [ 編集 ]

>ショウちゃん
読んでくれてありがとう。

尚也は1発は殴られるだろうなと思った。
で、2発以上は殴られないだろうなと思ったwwww
だからこんな話にしてみたよ。
本当は、義行に尚也との昔の話を思い出したりさせたかったんだけど、なんか長くなるからやめた。

ってことは尚也はずっと本当は笑が好きだったってこと?
笑を好きだと認めたくなくて年上選んでたってこと?
そしたら、義行が「笑が俺の友達に一目惚れして・・・・」って話してたりしたら、複雑な気分だったのかな?

>次は微エロにチャレンジだ!

無茶言うなwwwwwwwww
やっぱ、自分は義行視点なので、笑の微エロは無理だwwwww
[2009/11/13 07:50] URL | みか #- [ 編集 ]

初恋は実らないものというからねぇ
>ってことは尚也はずっと本当は笑が好きだったってこと?
笑を好きだと認めたくなくて年上選んでたってこと?
結果的にはそういうことかな? 言わないけど…
面倒くさがり屋なくせに、面倒見がいい奴なのでね、
なるべく手間の掛からない彼女を理想としていた。
そして理想とは3ヶ月もたない。

>そしたら、義行が「笑が俺の友達に一目惚れして・・・・」って話してたりしたら、複雑な気分だったのかな?
笑が好きになっただけなので、わりと清閑。
ただし、笑を好きになった奴は徹底的に排除の方向で…
地元情報に精通しているため、そういう動向を察知したら、
気づかれないうちに芽を摘んでいた人です。
[2009/11/14 12:09] URL | ショウ #CGSys/Bo [ 編集 ]

>ショウちゃん
なんとなく、尚也は保護本能をくすぐられるタイプが好きっぽいよね。
義行は逆に闘争本能を刺激してくるタイプが好きだ。

>ただし、笑を好きになった奴は徹底的に排除の方向で…
義行から隆くんの件は見込みがないことは聞いてるだろうからあんまりなんとも思わないか?
笑は自分から好きになった人じゃないと付き合わないから大丈夫だけどね。
笑が尚也と付き合いはじめたら、義行は安心して隆君を頻繁に家に呼ぶようになるよwwww
そして、尚也と鉢合わせたりしたら、「ああ、アレがうわさの笑ちゃんの彼氏?」とか義行が隆君と織田くんにいじめられることだろうよwwwww
[2009/11/14 19:40] URL | みか #- [ 編集 ]


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