母は二次元に恋をする
様々な現実から目をそむける為の妄想ブログ
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らいだったりみかだったり

Author:らいだったりみかだったり
ドクターストップかかって現在断酒中。
鎖骨がきれいな眼鏡男子が好き(二次元に限る)。
よく勘違いされるが腐ではない。

好きなゲームはFEシリーズ、英雄伝説シリーズとかなんか色々。
最近は主にコミPo!でマンガ作って遊んでます。



コミPo!



閃の軌跡



閃の軌跡Ⅱ



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がっつり寝正月
朝の4時に目が覚め、そっから、NHK教育でやってる「みぃつけた」という番組のイスの歌が頭を回って眠れなくなりました。
そして、まだ、現在進行形で回っています。
あの歌、危険だ。



最近やたら寝違えるのですが、寒いからでしょうか?
変な体勢でゲームをやっているせいでしょうか?


昨日一昨日と生理痛でぐったりしてました。
で、布団の中でP3Pやったり、SSのネタ考えたりしてました。
なんとなく、正しい寝正月ってかんじです。

夫は「このコントローラ酔う」とか言いながら、例によって家にある変なコントローラを使ってゲームをやっていました。
子どもたちは別のモニタでマリオパーティーをやっていました。
家族の心がばらばらです。


なんとなく、物書きの神が降臨したっぽいです。
まあ、ネタが出てくるのは例によってBSBばっかりなんですが。
前々から書こう書こうと思っていた、笑と弥生の初対面の話です。
笑と弥生の話にするつもりが、途中からなぜか、弥生と尚也の話になってしまいました。

よければどうぞー。


「お兄ちゃん。いつになったら彼女紹介してくれるの?」
晩御飯を食べながら、伊東笑は向かいに座る兄の義行に聞いた。
義行は咀嚼していたご飯を噴出した。
「きたねぇな。」
笑の隣に座っている、二人の幼馴染であり、笑の恋人でもある士奈尚也が眉間にしわを寄せた。

笑と尚也が付き合うまでは、ずっと晩御飯は笑と義行の二人きりだった。
だが、笑が尚也と付き合うようになってから、尚也を含め3人で食事をすることが多くなった。
最初は文句を言っていた義行も、次第に慣れて、何も言わなくなった。

「いきなりなんだよ!!」
義行は手で口元をぬぐい、笑を睨んだ。
「だって、いつまでたっても会わせてくれないんだもん。」
笑は口を尖らせた。
「会わせるなんて一言も言ってねーだろ。」
義行は笑から目をそむけた。
「なるほど。つまり、俺たちに彼女を会わせたくない理由があるってことだな。」
尚也はにやりと笑った。
「別にそんなのねーよ!!大体、なんで会わせなきゃいけないんだよ!!」
「だって、いきなり知らない女の人が来て、『今日から笑のお姉ちゃんだよ』とか言われたくないもん。」
「気が早すぎだろ!!」
「わかんねーじゃん。いきなりできちゃった、とかあるかもしれねーしな。」
「うわー。お兄ちゃんさいてー。」
「んなことあるわけねーだろ!!ナオも余計なこと言うんじゃねぇ!!」
義行は尚也を睨みつけると、ため息をつき、再びご飯を口に運び始めた。


義行は笑に彼女の話をしたがらない。
と言うのも、今まで、義行に彼女が出来ると、笑の機嫌が悪くなっていたからだ。
実際、笑も今までは義行の彼女に会いたくなかった。
だが、最近では兄の彼女を知らないことに対して不安を感じることが増えた。

どんな人なのだろうか。
仲良く出来るだろうか。

相手を知らないままでは、先に進むこともできない。
だが、そんな笑の気持ちを、義行は無視し続けていた。


休日、笑はクラスの友達と買い物に出かけた。
尚也と出かけると、どうしてもバイクに乗りやすい服を選んでしまうため、久しぶりに、女友達とかわいい服や小物をを選んで歩いた。
買い物を終え、最寄駅で電車を降り、家に向かって歩き始めると、3人組の大学生くらいの男に声を掛けられた。
「ねえ、これから一緒にカラオケ行かない?」
「行きません。」
笑はきっぱり断り、家に向かおうとすると、腕をつかまれた。
「離してください!!」
笑は男たちを睨みつけた。
「そんな冷たくしないでよ。いいじゃん。」
男たちはニヤニヤしている。
笑はうんざりした。
一人で歩くといつもこうだ。
そんなに自分は隙が多いのだろうか。

「あ、いたいた。ごめんね。遅くなって。」
突然、笑より少し年上くらいの綺麗な女の子が駆け寄ってきた。
彼女は笑の腕をつかむ男の手を無言で振り払うと、笑の手を引き、歩き始めた。
笑は彼女に見覚えはなかった。
だが、この状況では、それを彼女に聞くことも出来なかった。
「ちょ、ちょっと!待ってよ!!」
男たちは慌てて呼び止めた。
「なんですか?」
彼女は立ち止まり、男たちを一瞥した。
「あのさ、君その子の友達なの?一緒にカラオケ行こうよ。」
男たちの問いに、彼女はにっこり笑った。
「いえ、恋人です。だから、男の人には興味ないんです。」
その答えに笑は目を見張った。
綺麗な顔立ちとは裏腹に、彼女の笑顔は有無を言わせぬ威圧感があった。
男たちはぽかんと口を開け、呆然と立ち尽くしていた。
「行こう。」
彼女は笑の手を引き、ずんずんと歩いていった。
笑は何が起こったのかわからず、ただ呆然と彼女について歩くしかなかった。

しばらく歩くと、彼女は笑から手を離した。
「ごめんね、いきなり。余計なお世話かなって思ったんだけど、なんか、困ってるみたいだったから。」
「いえ、ありがとうございました。助かりました。」
笑は頭を下げた。
笑が顔を上げると、彼女はさっき男たちに見せた笑顔とは違い、やわらかい笑顔を見せた。
「また、さっきの人たちに会っても面倒だし、家まで送るよ。」
「え?でも、そんな、ご迷惑おかけするわけには・・・・。」
「ここで別れてずっと気にするより、家まで送っていった方が気が楽だから。送らせて?」
彼女は笑顔で言った。
笑は「でも・・・・。」とつぶやいたが、実際このまま一人で帰るのが心細いのも確かだった。

(まあ、今日はお兄ちゃんがいるはずだし、この人はお兄ちゃんが送ればいいよね。)
笑はそう考え、彼女に「じゃあ、お願いします。」と言った。

「お名前、聞いてもいいですか?」
笑は彼女に言った。
「え?ああ。そういえばそうだね。皆川弥生って言います。」
「私は伊東笑って言います。笑って呼んでください。」
「イトウ・・・・エミちゃん?」
「はい・・・・。どうかしましたか?」
「あ、ううん。知り合いの妹さんが、同じ名前だったから・・・・。」
「ああ、苗字も名前もありきたりですしね。クラスにも字は違うけど同じ名前の子がいるから、面倒くさいんですよ。」
笑は笑って言った。
「エミちゃんは、高校生?」
「はい。高1です。弥生さんは大学生ですか?」
「ううん。高3だよ。」
「あ、そうなんですか。なんか大人っぽかったから・・・・。」
「あはは。よく老けてるって言われるんだよね。」
「え?いや、そういうつもりじゃなくて!落ち着いてるって言うか、しっかりしてるっていうか・・・・。」
笑は慌てて首を振ると、申し訳なさそうに目を伏せた。
「別に気にしてないから、そんな顔しないで。」
弥生が笑うと、笑はほっとした顔をした。


「え?おうちって、ここなの?」
弥生は驚いた顔をして、笑の家を見上げた。
「え?はい。」
笑は首をかしげた。

笑の家はどこにでもある分譲の建売住宅だ。
驚かれるほど大きくも小さくもないし、特に目立つ特徴もない。

「あの、どうかしましたか?」
笑は弥生の顔を覗き込んだ。
「ううん。なんでもないの。じゃあ、私はこれで。」
弥生は来た道を戻ろうとした。
「あ、待ってください!!寄っていってください!ちゃんとお礼もしたいし!」
弥生は振り返ると、手を振った。
「そんな、お礼されるようなことなんて何もしてないし!ただのおせっかいだし!」
「それじゃ私の気がすまないです!!お願いします!!寄っていってください!!」
笑は弥生の腕をつかんで上目遣いで懇願した。
弥生は困った顔をしていたが、根負けしたらしく、「じゃあ、少しだけ・・・・。」と言った。
「よかった。じゃあ、どうぞ!」
笑はにっこり笑うと、玄関のドアを開け、弥生を家の中に促した。
弥生はばつの悪そうな顔をして、「お邪魔します」と消え入りそうな声で言うと、家の中に入った。

「ただいまー。」
リビングに入ると、義行がキッチンで晩御飯を作っていた。
「ああ。おかえり。後からナオも来るってさ。」
義行は笑の方を見ることなく、下を向いたまま返事をした。
「あ、あのね。さっき、ナンパされちゃって・・・・。」
「あ?またか。ったく。お前、そんなにボーっと歩いてるのか?それで、大丈夫だったのか?」
義行がため息をついた。
「うん。通りすがりの人が助けてくれて。家まで送ってくれたから、あがってもらったんだけど。」
「そうなのか?じゃあ、そんなとこで突っ立ってないでお茶くらい・・・・。」
義行は顔を上げると、目を見張った。
「お、お邪魔します・・・・。」
弥生は笑の後ろから、引きつった笑いを見せた。
「助けてもらったって・・・・・。」
「うん。男の人の手振り払って、私のこと引っ張って逃げてくれたの。」
笑はにこにこと笑いながら、義行に言った。
義行の顔はみるみる険しくなった。

「なんでそんなことするんだ!!」
義行は突然怒鳴りつけた。
笑はびくっと肩を震わせた。
自分が怒られているのかと思ったら、義行は、笑ではなく、弥生を睨みつけていた。
「そ、そりゃ、余計なおせっかいだとは思ったけど・・・・。」
「そういう問題じゃねーだろ!!」
義行は弥生に歩み寄ると、弥生の肩をつかんだ。
「な、なんで怒るの?その人は私のこと助けてくれたんだよ?」
笑は泣きそうな顔で義行に言った。
「うっせぇ!!お前は黙ってろ!!」
義行は笑に怒鳴りつけると、弥生にむかってまくし立てた。
「なんでそんな危ないことするんだ!!少しは女だって自覚持てよ!!」
「だって、困ってるみたいだったし、なんとかしないとって思って・・・・。」
「それならどうして俺を呼ばない!?いつもそうだ!!もっと俺を頼れよ!!何のために俺がいるんだよ!!」
「義行が来るまで待ってたら、手遅れになるかもしれないじゃない!見るからに柄の悪そうな人だったし・・・・。」
弥生は泣きそうだった。
その顔を見て、義行はため息をついた。
「・・・・ごめん。いきなり怒鳴りつけて・・・・。礼を言うべきところなのはわかってる・・・・。」
義行は声のトーンを落とした。
「大体、送ったりなんかして、どうやって帰るつもりだったんだ?」
「それは・・・・。」
「うちだったからよかったけど・・・・。後先考えなすぎだろ。」
「・・・・・。」
弥生はうつむいた。
「怪我は?」
「ない。」
「ほんとに?」
「そんなこと隠してもしかたないでしょ。」
「よかった・・・・。」
義行は弥生を抱きすくめた。
「頼むからあんま心配させんなよ。弥生に何かあったら、俺、どうすりゃいいんだよ・・・・。」
「・・・・・うん。ごめん。」

笑は、二人のやり取りをぽかんと口を開けて見つめていた。
義行は笑の視線に気づくと、慌てて弥生から離れた。
「あー、あの、今更だけど、妹の笑。」
義行は顔を赤くし、引きつった笑いを見せ、弥生に笑を紹介した。
「あ、うん。なんかもうはじめましてって言うのもおかしいね。」
弥生も必死で笑顔を作ろうとしたが、その笑顔は引きつっていた。
義行はため息混じりに笑に言った。
「笑・・・・。その・・・・。この人は皆川弥生っつって・・・・・。その・・・・、お前の会いたがってた人だ・・・・・。」
笑は、口を開けたまま、固まってしまった。

さっき弥生の言った「知り合い」とは義行のことだったのだ。
笑がそれを理解するのに、しばらく時間がかかった。
笑の頭は真っ白で、何も考えられなかった。

「こんな形で紹介するはずじゃなかったんだけどな・・・・。」
義行は頭をかいてつぶやくと、弥生は申し訳なさそうに目を伏せた。
「飯、食ってくか?」
「うん。せっかくだからご馳走になろうかな。」
「じゃあ、うちで飯食うって連絡しとけ。帰りは送ってくから。」
「うん。ありがとう。」
弥生はそう言うと、携帯を手に持ち、リビングから出て行った。
相変わらず呆然とする笑を尻目に、義行はバツの悪そうな顔をして、キッチンに戻っていった。

「手伝うよ。」
リビングに戻ってきた、弥生は、キッチンにいる義行に声をかけた。
「ああ、じゃあ、頼む。」
義行がそう言うと、弥生はキッチンに入り、腕まくりをした。
気まずい雰囲気の中、笑は、言いようのない疎外感を覚えた。


玄関のチャイムが鳴った。
「あ、笑。多分ナオだと思うから、出て。」
義行の声に笑はようやく我に返った。
笑がリビングを出ると、玄関では、尚也が靴を脱いでいた。
「よお、笑。鍵開いてたぞ。あぶねーからちゃんと閉めろよ。あとこれ、煮物。母さんが持ってけって言うから。」
尚也は紙袋を笑に差し出した。
「あ、ああ。うん・・・。」
笑は生返事を返した。
「どうかしたのか?」
尚也は笑の顔をのぞきこんだ。
いつもの笑なら尚也の顔を見るとうれしそうな顔をするはずなのに、今日の笑は虚ろな目をしていた。
「う、うん・・・・。あの・・・・、今、お兄ちゃんの彼女が来てるの・・・・・。」
尚也は目を見張った。
「マジで?あんなに嫌がってたのに、どういう風の吹き回しだ?」
「違うの・・・・。連れてきたのは私なの・・・・。」
笑は消え入りそうな声で言った。
「は?どういうことだ?」
尚也は首をかしげた。

ナンパされたことを話すのは気が引けたが、笑は尚也に事情を話した。
「またナンパされたのか?だから一人で出歩くなっていつも言ってるだろ。」
尚也はイラついた様子で言った。
「それは今はどうでもいいでしょ。大体、幼稚園児じゃあるまいし、一人で出歩くなってひどくない?」
笑は口を尖らせた。
「笑は隙が多いんだ。」
尚也はため息混じりに言った。
自覚があっても人に言われると気分が悪い。
笑はますますむくれた。
「ま、過ぎたこと言っても仕方ない。それより、ヨシに惚れる物好きな女の顔でも拝ませてもらうか。」
尚也はにやりと笑うと、リビングのドアを開けた。
笑は相変わらず不機嫌な顔をしていたが、尚也が来てくれたおかげで、動揺した気持ちが少し落ち着いた。

「よお。彼女来てるんだって?」
尚也は、リビングに入ると、開口一番義行に言った。
義行はそれには答えず、眉間にしわを寄せ、心底嫌そうにため息をついた。
尚也はそんな義行に当て付けるかのように、義行の横に立つ弥生に愛想のいい笑顔を見せた。
「へぇ。ヨシにはもったいないくらいの美人だね。」
尚也が言うと、義行は「うるせぇ」と言って、尚也を睨んだ。
「はじめまして。ヨシから聞いてると思うけど、俺は士奈尚也。よろしく。」
「ああ、幼馴染くんだよね。皆川です。よろしく。」
弥生は軽く会釈をした。
弥生に愛想よくする尚也を見て、笑はますます不機嫌になった。
「いいからナオは後ろでふてくされてるヤツのお守りでもしてろよ。」
義行がはき捨てるように言うと、尚也は鼻で笑った。
「ふーん。彼女が他の男と話すのが気に入らないってか。ヨシって案外嫉妬深いんだな。」
「う、うるせぇ!!」
義行は顔を赤くした。
弥生はそれを見てクスクスと笑った。


その後、二人が作った料理と、尚也が持ってきた煮物を囲み、4人で食事をした。
笑は愛想笑いをするのが精一杯で、ろくに話すことができなかった。
そんな笑を気遣ってか、尚也は普段より饒舌だった。
だが、尚也の気遣いも空しく、気まずい雰囲気のまま時間は過ぎていった。


「じゃあ、送ってくるから、ナオ、笑のこと頼むな。」
義行は、玄関で靴を履くと、見送るために廊下に出てきた尚也に言った。
「ああ、帰ってこなくていいぞ。」
「ふざけんな。」
義行は尚也を睨んだ。
「お邪魔しました。」
弥生は尚也の隣にいる笑に会釈した。
「あ、あの・・・。今日は、ありがとうございました。その・・・・、また来てください。」
笑は、精一杯弥生に笑って見せた。
「うん。ありがとう。」
弥生も笑に笑顔を見せ、義行と共に玄関を出て行った。


二人を見送ると、笑はため息をついた。
「綺麗な、人だったね・・・・。」
リビングに戻る尚也に、笑はつぶやくように言った。
「あ?ああ、まあ、そうだな。確かに美人だとは思ったけど、俺はああいう気の強そうなタイプはダメだな。ヨシがああいうのが好みだとは知らなかった。もっと甘え上手な守ってあげたい系の女が好きなんだと思ってた。」
「気、強そう?しっかりした感じのやさしい人だと思ったけど・・・・。」
「あー、笑に対してはそうだったかもな。俺に対する態度はなんか威圧的っつーか、警戒されてるっつーか・・・。俺は苦手。あの子、男嫌いなんだろ。そんな感じした。」
「そうなの?」
「自己紹介するときも、苗字しか言わなかっただろ。あからさまに俺には名前で呼ばれたくありませんって感じだった。初対面であれは結構傷つくぞ。なんでヨシと付き合ってんだろうな。」
尚也は肩をすくめた。
「お兄ちゃんは、弥生さんのこと、好きで仕方ないって感じだった・・・・。」
「ああ、そうだったな。あれはびっくりした。単純だと思ってはいたけど、あそこまであからさまなの初めてだろ。」
尚也が笑うと、笑は「そうだね」とつぶやき、うつむいた。
そんな笑を、尚也は抱きしめた。
「俺がいるだろ。」
「・・・・うん。」
笑は尚也の腕の中で目を閉じた。
わかってはいても、やはり気分は晴れなかった。



「皆川さん!」
次の日。
授業を終え、いつもどおり、友達と校門を出ようとしたところで、弥生は声を掛けられた。
見ると、校門で自転車にまたがった尚也がいた。
「よかった。間に合って。」
尚也は息を切らし、ほっとした顔をしていた。
弥生の友達は眉をひそめ、突然現れた他校の男子を怪訝な目で見た。
「誰?」
友達は弥生の袖を引き、小声で言った。
「伊東君の友達。」
弥生が答えると、友達は納得した様子で頷いた。
「あのさ、ちょっと、時間もらえるかな?」
尚也がそう言うと、弥生は眉をひそめた。
「別に、大丈夫だけど・・・・。」
そういう弥生の表情は、警戒心剥き出しで、とても大丈夫には見えなかった。
尚也は肩をすくめた。
「別に、変なことするつもりはないよ。俺も君のことは好みじゃないし、わざわざヨシの彼女に手出すほど堕ちちゃいない。あんなヤツでも一応親友だからな。ちょっと、笑のことで話があるんだ。」
尚也がそう言うと、弥生は少し安心したようだった。
「そういうことなら・・・・。」
「んじゃ、ここじゃなんだし、ちゃんと話せるとこ移動してもいいかな?」
尚也は、下校する生徒たちの視線を気にしながら言った。
「ああ、・・・・うん。」
弥生は気乗りしない様子だったが、刺すような視線に、しぶしぶ頷いた。


一緒に行こうかと弥生に言う友達を断り、二人はイートインができるパン屋に入った。
「俺が無理に誘ったんだし、おごるよ。」
尚也は精一杯愛想のいい笑顔で言った。
「いらない。知らない男の人に奢られるの、嫌なの。」
しかし、尚也の好意を弥生は突っぱねた。
「うわ。かわいくねぇ。」
尚也は眉間にしわをよせ、つぶやいた。
弥生は聞こえないふりをしているのか、何の反応もなかった。


普段の尚也は、女の子に対しては大体親切だ。
だが、弥生に対しては最初に苦手意識を持ってしまったためか、相手の態度が気に入らないためか、うまく笑えなかった。
尚也はちらりと弥生の横顔を一瞥した。
不機嫌な表情をしてはいるが、客観的に見れば確かに整った顔立ちだ。
実際、昨日最初に見たとき、ヨシにはもったいないほどの美人だと思ったのは嘘ではなかった。
(ヨシって面食いだったっけ。)
尚也は義行が彼女の見た目以外のどこに惹かれたのか皆目見当がつかなかった。


それぞれ、菓子パン1つと、コーヒーをトレイに乗せ、会計を済ますと、空いている禁煙席に向かい合って座った。
席に着くと同時に、尚也は口を開いた。
「手短に済ませたいだろうと思うから、率直に言うよ。連絡先教えてほしいんだ。」
「は?」
弥生は眉間にしわを寄せ、心底嫌そうな顔をした。
「まあ、そういう反応をされることは想像できたけど、そこまで嫌悪感あらわにしなくてもよくない?別に俺から連絡する気はねーよ。さっきも言った通り、君は俺の好みじゃない。笑から君に連絡させるために教えてほしいんだ。」
尚也は刺のある口調で言った。
「多分、笑からヨシに君の連絡先を聞くことはできない。そもそも、聞いたところでヨシが教えるとも思えない。でも、笑は君とちゃんと話せなかったことを気にしてるんだ。」
「・・・・・・。」
弥生は目を伏せた。

弥生自身も、自分のおせっかいのせいで、きちんと挨拶できなかったことを気にしていた。
だが、今更どんな顔をして笑と話せばいいのかわからなかった。

「笑は、一応君と仲良くしたいって思ってる。正直、俺には全然そうは見えないけど、君のことやさしい人だと思ってるみたいだしね。」
尚也は肩をすくめて苦笑した。
「そういうわけだから、君の連絡先を教えてほしい。笑以外には教えないし、俺からも連絡はしない。してほしくないだろうからね。俺から今夜中に笑にメールさせるから。」
尚也の表情は真剣で、本気で笑を心配していることが手にとるようにわかった。

弥生は少し考えて、かばんを手に取った。
「・・・・・。ちょっと、待って。」
弥生はかばんから携帯を取り出すと、尚也に渡した。
「赤外線通信、出来る?私、やり方わからないから、やってくれる?」
尚也は安堵の表情をもらし、弥生の携帯を受け取った。
「ああ、ありがとう。借りるよ。」


弥生が尚也から携帯を返されると、狙っていたかのように携帯が鳴った。
弥生は慌てて電話に出た。
「もしもし?・・・・ああ、うん。そう。士奈君と一緒。・・・・・・駅前のパン屋さんにいる。・・・・・・うん。わかった。待ってる。」
弥生は携帯を閉じた。
「ヨシ?」
「うん。私が男の人と一緒だったって、誰かが義行に言ったみたい。すぐ来るって。」
尚也は苦笑した。
「俺、信用されてないからな。」
「どちらかというと、士奈君が私に変なこと吹き込まないか心配してるんだと思うよ。」
「どうかな?アイツ、純粋に君が他の男といるのが嫌なんだと思うよ。ずいぶん嫉妬深いみたいだから。」
「私が男の人としゃべるの得意じゃないって知ってるから、それはないと思うけど。」
「それとこれとは話は別だよ。そういうのって理屈じゃないだろ?」
「士奈君は?」
「え?」
「士奈君は笑ちゃんが他の男の子と一緒にいたらどう思う?」
「俺?俺は笑を信じてるから・・・・・・。」
尚也は少し間を置いて、苦笑した。
「相手の男をボコるよ。」
尚也がそう言うと、ようやく弥生は笑った。


二人がしばらく待つと、義行が息を切らして店に入ってきた。
義行は、全速力で自転車を漕いで来たらしく、二人の席に来ても、しばらく口が利けなかった。
「おつかれさん。」
尚也が笑って言うと、義行は嫌な呼吸音を立てながら尚也を睨んだ。
「別に何もしてねーって。ちょっと話してただけだよ。な?皆川さん。」
尚也が弥生に目配せすると、弥生は苦笑した。
「んじゃ、俺、先帰るわ。笑と約束あるし。皆川さん、今日はありがとう。」
そう言って、尚也は立ち上がった。
「うん。こちらこそ、気使ってくれてありがとう。」
弥生はようやく尚也に自然な笑顔を見せた。
「少しは俺のこと、信用してもらえたかな?」
尚也の言葉に、弥生は噴出した。
「ごめんね。私、信用しろって言う男の人は信用しない主義なの。」
弥生が笑顔で言うと、尚也は肩をすくめた。
「君、ほんといい性格してるね。」
「誉め言葉として受け取っておくわ。」
弥生は含みを帯びた笑いを見せた。
尚也はため息をついて、二人に手を振ると、店を出て行った。

(蓼食う虫も好き好きってか。かわいげはないけど、退屈しないのかもな。)
尚也は、相変わらず自分を睨みつけている義行と、その隣で肩をすくめて笑っている弥生の姿を一瞥すると、苦笑した。


-おわり-

駄文にお付き合いいただきありがとうございました。

おかしい。
弥生と笑の話にするはずだったのに。


尚也は基本的に女の子にやさしいですが、一度苦手と思っちゃうと結構辛らつになると思うんですよ。
また、弥生は平等に男の人に対して不親切で、警戒します。
大人数でいれば大丈夫ですが、二人きりになると、警戒心と嫌悪感をあらわにする為、愛想笑いができなくなります。

なんとなく、弥生と尚也は犬猿の仲っぽくしたかったので、こういう話にしました。
弥生の話を考える前に尚也の存在をショウちゃんが作ってくれていたら、義行の彼女が中学時代の同級生か、幼馴染とかで、本当は尚也が好きだったとかもありだったかななんて考えたんですが、多分弥生だったら尚也みたいな女の子に優しいタイプ苦手だなとか思ったので。
で、尚也もきっと、弥生みたいなタイプは「かわいげのないひねくれた女」って思うかなーと思ったり。
まあ、義行も最初はそういうところが苦手だったけど、今となっては痘痕もえくぼです。


また、みなさんと設定つめて、今度はサクラちゃん、潤ちゃん、弥生の話を書いてみたいなと思ったり。
この三人のガールズトークなんて、穂積くん、隆くん、義行は何言われてるのか気が気じゃないだろうなwwwww
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コメント
No title
そろそろ正月気分を脱却しないと思いながらも、朝が起きられなくなりましたー。
寝正月になりますよね^^;
生理痛は、大丈夫ですか?
私は、ほぼ経験したことがないのですが、ツライんですよね。
お腹、あったかくして休んでくださいね。
しかも、寝違えとは・・・・!
こちらも、なかなか治らないんですよねー。
やっぱ、姿勢の問題もあるのかな?

弥生と笑ちゃんのお話、読ませていただきましたー!
おぉ、そうきましたか!!って感じですけど、
なんか、わかる!そんな感じ!って思ってしまいました!
ヨシくんもナオくんも、それぞれベタ惚れですねwwwww
笑ちゃん、今度は笑って弥生とお話ができるといいですねー。

ところで、眼鏡男子ですね( ̄ー ̄)
ちょっと時間がかかるかもしれませんが、承りましたぁ!
どんな眼鏡男子が、みかさんのお好みだろう・・・・・?
[2010/01/05 17:27] URL | みぃ #- [ 編集 ]

>みぃさん
ええ、私も二度寝して起きたら9時半でした。
だらけすぎorz
いい加減生活態度改善しなければ・・・・。

生理痛は落ち着きましたが、寝違えは癖になってしまったんですかね。
それとも姿勢の問題なのか・・・・。
姿勢の問題のような気がしますね。
首に巻く湯たんぽ?みたいなやつほしいんですが、案外安くないんですよね。

ところで、生理痛が軽い人はお産も軽いって本当ですか?

笑も、自分に彼氏ができたことはとりあえずおいといて、やっぱり受け入れるのに時間がかかるんじゃないかなーと思うんです。
最初から「彼女」として紹介されるならともかく、心の準備もできてなかったから。
まあ、なんだかんだで、笑は甘え上手だし、弥生も妹タイプの女の子に弱かったりするので、時間が経てばうまくいくと思います。

ええ、義行も尚也もそれぞれベタ惚れですwwww
そして、お互い、好みが近いと思っていたのに、全然違ったので、お互いの彼女のどこがいいのか不思議に思っています。

わーい!!
眼鏡男子ー!!
楽しみにしてます!!
私は・・・・意地っ張りのツンデレタイプが好き・・・・かな?
[2010/01/05 18:37] URL | みか #- [ 編集 ]

No title
弥生ちゃんかっこいい!ナンパ男子迫力負けですね

ヨシくんの心配症にニヤニヤ
こんなお兄ちゃん見たことないだろうから、さぞかし笑ちゃんは驚いたことと・・・・
それでもなんとか仲良くなりそうな2人ですね
時間をかけてゆっくりと
でも、幼馴染くんとは一定の距離を保ちそうです

楽しく読ませてもらいましたー♪


首の寝違いはよくなりました?
癖になっちゃってるんですかね?
私も一度なると繰り返しちゃうんですよね(´・ω・`)
首に巻く湯たんぽ
買ってみたんですが、意外と肩と首に負担がかかるのであまりお勧めできないですが・・・・
暖かいですよ
今では腰に巻いて使ってます。
[2010/01/06 10:57] URL | サクラサル #- [ 編集 ]

>サクラサルさん
お読みいただきありがとうございました。

義行は心配性ですねー。
しかも嫉妬深いです。
そして、結構それが表に出やすく、傍からみて非常にわかりやすくイライラしています。
弥生は義行視点だと、あんまり気強い感じが出ないのですが、実はずけずけ物を言う、オブラート?何それおいしい?ってタイプです。
まあ、尚也と弥生はなんだかんだ言って仲良くなるんじゃないかと思います。
案外笑と仲良くなるより早かったりするかも。
初っ端から言いたいこと言いまくってるから。

ずいぶん良くなりましたが、さっき、反対側の首がくきって言いました。
運動しなきゃダメってことですねorz
首より腰の方がいいんですか。
あれ、どうなのかなーって思ってたんですが、首に負担かかるんじゃあんまり意味ないですね。
おとなしく蒸しタオル巻いてた方がよさそうですね。
そういえば、中にカイロ入れられるマフラーが売ってたから、まねして作ってみようかな。
[2010/01/06 12:08] URL | みか #- [ 編集 ]

遅くなりましたー!
明けまして おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

あ、かわゆい写真の年賀状が届きましたよーw
みかさんと旦那様の顔を拝見してないから、どっちに似てるか分からない件(笑)
幸せそうな笑顔にこちらまでニヤニヤしちゃったwww
本当にありがとうございましたー!(´∀`*)

SS、読みましたよー!!
弥生ちゃん、カッコいいwwwww
そしてユキちゃん、嫉妬深いwwwww 可愛いwwwww
龍之介はみんなの前ではクールぶってるから意外と冷静なんですよ。でも内心はガーって怒ってる、きっと(笑)
あとになって2人っきりのときに拗ねる系ですww

ガールズトーク、楽しそうですね。
是非、読んでみたいですーw

首は大丈夫ですか?
寝違えが多いってことは枕が合わないのかなあ。
みかさんって首を倒して関節鳴らします?
あれって良くないんですよね。わたし、知らないでパキパキ鳴らしてましたよ、ずっと。
お大事になさって下さいね。
[2010/01/06 12:40] URL | あくあ #GeIIq2NY [ 編集 ]

>あくあさん
改めてあけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

年賀状無事届いたようでよかったです。
こちらも届きました。
ありがとうございました。
娘たちはどちらも私に似ていると言われます。
姉妹はあんまり似てないんですけどね。
でも、なぜか二人とも私の系統の顔のようです。
特に上の娘は、私の高校時代にそっくりで、笑えます。

弥生は男らしくしすぎましたかね。
いかんせん性格のモデルが夫なので、女の子にすると、やたら男らしくなっちゃいますね。
夫自体は別に男らしいタイプじゃないんですが。

義行は嫉妬深いですよwwwww
側にいるから余計に目に付くんでしょうね。
拗ねることはありませんが、イライラしてます。
で、そうなると、何を言われても「あ?」と「別に」しか発しなくなります。
拗ねる穂積君と、なだめるサクラちゃんは見たいですね!!ニヤニヤ

女の子組の話を書くためにサクラちゃんと潤ちゃんの設定が知りたいなーと思ってるので、また落ち着いたらチャットしたいですね。
私が一番暇であることは間違いないので、みなさんの予定にあわせます。

お読みいただきありがとうございます。

首はなんとか車の運転に支障がない程度には落ち着きました。
寒いから体が固まっているのか、運動不足なのか・・・・。
間接は鳴らすのとか苦手なのでやらないです。
だから、たまになるとびっくりします。
[2010/01/06 13:37] URL | みか #- [ 編集 ]

胡散臭い尚也がいる…
男の嫉妬は醜いなぁ、ユキくん?

そして、弥生に対する馬鹿丁寧すぎる態度に、
いつものナオを知る人からは別人28号に思われているに違いない。

一線おいてる人に対しては、馬鹿丁寧。
身内と認識すればするほど口が悪くなる男なので…

それにしても恋人の身内とか、外堀から埋めていくのが常套手段だと、なぜ気づかれたのだろう?
もう少し時間が経って、笑と弥生の親密度が増したとしても、
笑を通して間接的に弥生に接する気がする。
直接接する時は微妙に腹の探り合いなんだろうな。
[2010/01/07 13:42] URL | ショウ #CGSys/Bo [ 編集 ]

>ショウちゃん
うっせぇ。
笑に近寄る男を陰湿なやり方で再起不能にしてきたお前にだけは言われたくねぇ。


男に対する態度と女に対する態度は180度違いそうだよなwwww
尚也はwwww

それでも、弥生に対して馬鹿丁寧なのは、ある意味嫌味も含んでいるんじゃないかと思っている。
お互い距離をとりつつ腹を探り合うよい仲になるよ。
将来義姉弟になるのが楽しみの二人だねwww
[2010/01/07 14:58] URL | みか #- [ 編集 ]


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